①12月3日発売の「東京人 2025年1月号」
「東京点描」というコーナーに1ページ文章を寄稿しました
ドブのにおいについての話です
よかったら見てみてください




②楽園(ル パラディ)冬のウェブ増刊が開催されており
12月6日分で描いた漫画が公開されています。
無料ですので見てみて下さい
 
行き方:下記URLを押す→WEB増刊へGOと書かれた箇所を押す(中段画面左)→12月6日のところを押す→漫画登場。
 http://www.hakusensha.co.jp/rakuen/
 
十月末頃の高知行に纏わる出来事を描いた漫画です
 
 
 
 
③今年8月に東京で開催された「楽園展」
大阪でも開催されるはこびとなりました。 
会期:2025年1月11日〜1月19日。
入場特典に東京展と同様のペーパークラフトが配布されますが
裏に押印されるスタンプは大阪仕様になっています。
また、 新グッズとしてTシャツ2種が追加され、販売される予定です
くわしくは
 
 
 
 
④そぞろ各地探訪の発送状況について
同時発売のTシャツのみ注文の方へは発送が始まったとのことです。
本(Tシャツ同時購入含)は現在発送にむけて作業中のようです
 
物流の状況次第なのでなんともいえないのですが
何卒広い心で到着をお待ちください

毎年恒例、「楽園」から年賀状プレゼントの企画が今年も開催。
抽選で絵入りの年賀状が届くというものです
12月6日(金)12:00が締め切りとなっています
どしどしご応募ください
くわしくは↓

11月下旬発売となっているそぞろ各地探訪の直販の配送について
やや遅れが見込まれ、現在のところ
「11月末~12月10日頃」にかけて発送されるとのことです。 
11月をはみ出してお待たせしてしまい、すみませんが
到着までもう暫くお待ち下さい。 




以下雑記
 
一昨日から、今冬の布団乾燥機の運用を開始した
ぼちぼち要るなあと、何晩か冷たい布団に入る度に思っていた。
昼間のうちに物置から出して準備しておけば暖かく眠れたのに、と
悔やんでみても、朝起きるとそんなことは忘れてしまっていて
また布団に入るときに思い出し、僅かに悔やむ
そんなことを何回かやってると記憶が定着してきて
日中に思い出して行動することができる
それが一昨日のことだった
 
 
そういえば今年は掛け布団を新調して
「重い布団」なるものを導入した
文字通り重量をアップさせた布団で
重くするために砂みたいな何かが入っている
 
昔から、重さのある布団が好きではあったのだが
世間一般には軽くて暖かいほど上等な布団であるという風潮があり
セールスポイントがいまいち響かないというか
そのせいであまり掛け布団全般に興味を持てずにいたのだが 
最近、重さをうりにした布団があるということを知り
やっぱり需要あるんじゃん!と思って嬉しくなった
そんな折、量販店で売られているのを発見したので
我が家の一員となってもらった
 
今まで好きだった重い布団は、詰まった綿で構成されていて
密度が高く、保温性能も同時に高かったものだが
「重い布団」は重さの割にさほど保温性能が高いわけではないから
別で毛布などを足して調整する必要がある
重さと暖かさを分離できるので、カスタマイズの自由度が高くなり
そんなに寒くない時期でも重さを享受できるのは利点である。
 
 
ここ一月ほど重い布団の良さを味わっていたのだが 
ついに布団乾燥機との合わせ技を開始したというわけです
 
この組み合わせにはひとつだけ欠点があり
布団が重いため、布団全体に上から押さえつける力が働き
乾燥機の温風が行き渡りづらいようなのだ
足先の方があんまり暖まってない
布団内部に空間を確保する何らかの工夫が必要である

この日記は夜が明けて日中に書いているので
その欠点について思い出すことができた
寝る直前に思い出して僅かに悔やむ前に何か対策を打っておこう


どうにかこうにか手に入った
製造所固有記号はYKU、熊本工場製造の品である
福岡限定ときいていたが福岡工場じゃないんだね
 
情報を受け、飛行機のチケットの値段と時間までは調べたものの
いくらなんでもそれは、と思って二の足を踏んでいた
九州地方で入荷があったという店のネットスーパーにも問い合わせたが
地方を跨いでの配送は難しいようであった
 
結果的に、現地に伝手のある知人の協力があり、郵送して貰うことで入手できた
アクロバットな方法であり、誰にでも可能な手段ではないし
負担も大きい。継続的な入手も難しいため、あまり現実的とはいえない
今回限りの荒技となるだろう……
ローカルパンを入手しようとする時のハードルの高さを味わった
 
 
 
さっそく実食
これは、ほぼ「カステラ風蒸しケーキ」の後継とみて間違いないでしょう。
 
厳密には成分表記に多少の差がある
「全卵、卵黄、卵白、卵白粉」 が「卵、卵黄」に置き換わっているとか
水あめ、乳化油脂あたりの分量に微妙な多寡がある
あとは「安定剤(増粘多糖類)」が入っていないとか。せいぜいそのくらいで
構成要素とそのバランスはかなり近いものであるようです
同一商品名で「おいしくなって新登場」の範疇なかんじする
 
2022年頃に売っていた「カステラ風蒸しパン」も
かなり同じような味わいと構成ではあったけど
文字情報を見る限りは、今回の方がよりオリジナルに近い。
蒸しパンの方は後半に記載される添加物が結構違ってた
包装形態が違うから、それによる調整もあるかもしれないけど
 
また栄養成分表示を見る限り、サイズは減ってるのかな
小判型ではなくて、正円に近い形状に変わっている関係で
十数%程度小さくなっている模様。
 
 
味わいに関しても、当時と変わらないといって差し支えないと思う
食べたことがない人にその味を説明するとしたら
ヤマザキ「北海道チーズ蒸しケーキ」のチーズ部分を
そっくりカステラの味に置き換えたものを想像したらよい。
そっちの想像が難しければ
カステラを食いながら、これの食感が北海道チーズ蒸しケーキだったら、と
想像するんでも大きくは外れないかと思う
想像して、ときめくタイプの人間を裏切らない味がします

更に言うなら、古来カステラ風蒸しケーキがあり
その派生商品として北海道チーズ蒸しケーキが登場したのではないかと
思えるくらい、素直で衒いのない素朴な味わいでもある
それ故、過度にハードルを上げて食べると肩透かしになってしまうかもしれない
そのへんはふつうの台湾カステラとも共通する部分かと思う

しかし正直なところ、年単位でご無沙汰であったこと、そしてその間
近いジャンルの食品を好んで食べるようになったこともあり
過去のカステラ風蒸しケーキと正確に比較ができているのか
ちょっと自信がないところではあるのだが。
 

そうはいっても、ほぼ復刻販売と言っていいレベルの品が
ヤマザキ社から販売される意味は計り知れません。 
これだけ近いものである以上、 旧「カステラ風蒸しケーキ」の存在を
同社が意識していない筈がなく
それも地域限定で静かに発売するというのも意味深長です

全国展開を意識し、地域を絞って試験販売ということも当然考えられるが
もうひとつ、福岡のリョーユーパンというパン会社が
「三角カステラ風蒸しケーキ」という商品を出している(これもなかなかうまい)
結構長いこと継続販売されており、定番になっているようなので
需要のある地域でのライバル商品として出動させた可能性もなくはない
 
 
なんにせよ喜ばしい新発売だ
今私に出来ることは名作菓子パンが僅かに名前を変えて再登場したという
事実とその魅力をインターネット上に書き記しておくことくらいです
福岡近郊に住む方は、ぜひ地の利を享受して下さい。
 
「カステラ風蒸しケーキ」という商品名には個人的に愛着もあるが
「北海道チーズ蒸しケーキ」だって、旧商品からリニューアルし
今の名前になってロングセラーになった歴史がありますからね
新生カステラ風蒸しケーキの今後の展開に大いに期待したいところです

今月末、発売予定の新刊「そぞろ各地探訪」ですが
想定より多くの御予約を頂き、最短で発送される分が品切れと
なってしまいましたが、現在二次出荷分の予約受付を開始しています。

・特典の扱いについて
今月末の出荷開始までの注文分は「御予約シール」が貼られますが
以降、御予約シールはなくなり次第終了となります。
シール貼付版が欲しい方はお早めに御予約ください。
「特製しおり」の方は予約期間終了後も直販でご購入の場合
引き続き付属することになっています(終了時期未定)

二次出荷分は、12月中旬頃までには発送予定ですが
先行販売書店の発売と前後する可能性があるとのことです。
 
 
また、同時に予約を募っているTシャツですが
既に生産が始まっている為、残数に限りがあり
サイズによっては残り僅かとなっています
こちらもお求めの方はサイズが選べるうちにどうぞ。

ヤマザキ社から台湾カステラ風蒸しケーキという製品が
出ているという情報が寄せられた 
教えてくれた方ありがとうございます。
 
ヤマザキのホームページには全く記載がなかったが
どうやら新製品であるらしい。 

「カステラ風蒸しケーキ」が再発売されたときも
「カステラ風蒸しパン」 が新発売したときも
新製品情報に出ていなかったんだよね
毎月発表される一覧がすべてと過信するのは危険である。
 
「カステラ風蒸しケーキ」自体が台湾カステラとは近縁にあるので
より台湾カステラに寄せた味わいなり質感なりを追求しているのか
それとも、大まかな味わいはカステラ風蒸しケーキと同様のもので
その特性をより的確に表現するため、名前を変更したのか
いずれにせよ、マイナーチェンジ版の可能性が考えられる。
これは事件だ
 

さっそくお客様相談室に電話して入荷情報を得ることにした
この電話をするのも随分久しぶりだ
 
問い合わせの電話番号は電話帳に登録してあったが
万が一番号が変わっている可能性を考え
ヤマザキ社のホームページを確認する。
久しぶりに「よくある質問」のページを見てみたら
「最も多くいただくご質問」という項目が一番上に追加されていて
「商品をさがしています、どこで買えますか?」 
という質問とその回答が記されていた
前は無かったように思うが、いつの間にか追記されたらしい

電話で気軽に訊いていいとのことです!
ありがとうございます。
菓子パンひとつのために企業の窓口に電話するなんて、と
躊躇している人がもしいるとしたら
公式に推奨される方法なので安心して欲しい。
 
逆に、以前記載のあったYショップで注文して入手する方法は
見た限り消えているようだった
あまり推奨されない方法になってしまったのか、あるいは
もう使えないテクニックになってしまったのかは不明だ
「最も確実な手段」として以前紹介してしまったけど、
ヤマザキ社の迷惑になっていなければいいのだが……
 
問い合わせや注文に関する状況が
カステラ風蒸しケーキに奔走した2019~2021年頃とは
多少変化しているのかもしれない。
 
 
それはそれとして電話。
例によって、エリアを指定して入荷している店を調べてもらったのだが
取扱店はゼロとの回答だった。新発売なのに、と思って詳しく訊いてみれば
なんと、台湾カステラ風蒸しケーキは地域限定商品であった
それも、福岡限定なのだという
なんてこと
 
新製品のわりに、やけにインターネット上で情報が少ないと思ったが
さもありなん。
道理で全国版の新商品一覧にも掲載がないわけだ
全国区の大手メーカーでもそういうローカル製品はある
高知のぼうしパンをヤマザキが出してるのを見たこともあるし
ほかにも知られざるローカルパンがあったりもするのだろう
現在のところ、全国展開は未定であるとのこと。
よりによって、飛行機の距離とは……
………
福岡近郊に住んでいる方はぜひ入手し、食べてみてください
 
 
電話対応して下さった方が気を利かせて
「台湾カステラ チーズ」という製品の出荷店舗を教えてくれた
さっそく入手し食べてみたが、これもなかなかうまい
北海道チーズ蒸しケーキに似ているけど
卵の配分が多かったり、太白ごま油を使用していたりと
成分が台湾カステラに寄せたチューニングになっているのと
表面に焼けたチーズの食感があり、ちょっと高級感がある
逸品といえるでしょう
菓子パンコーナーではなくチルドの甘味コーナーに売ってるので
探す方は注意してください

カステラ風蒸しパンの登場から2年以上
沈黙を破り動き出したカステラ風蒸しケーキの今後に注目されます

11月17日に開催されるコミティア150にて
「楽園」の15周年と、コミティア40周年及び150回を記念した
会場内イベントとして「楽園」参加作家の原画展があり、参加します。

本企画用の描き下ろし作品で、漫画1ページを作りました。
展示作品をまとめた冊子の販売もされるとのことです
 
印刷物になった冊子と原画を
会場で見比べてもおもしろいかもしれません
珍しい機会ですので、会場に行かれる方は見てみてください
 

もう一点
コミティア40周年、150回を記念したグッズで
「コミティアの空気」なる品物が会場にて販売されます
パッケージデザイン(瓶ラベル、封緘紙、説明書)を担当しました

空気は充填されていない空き瓶の状態で販売され
各自でコミティア会場に充満する当日の空気を
瓶で密閉して持ち帰ることができるという
ユーモラスな品です
節目を迎えるコミティアの貴重な空気を収集してみてください


高知に行ったときのことをもう少し書いておこう
 
往路は夜行バスにした。夜行バスが好きだからね
昔から高知に行く交通手段の定番は夜行バスで
途中で停まるサービスエリアの夜や朝の空気の良さ
車内前方で緑色にぼんやり光るデジタル時計
カーテンの隙間から過ぎ去るナトリウムランプと知らない町の明かり
朝到着してろくに店も開いていない高知駅周辺の雰囲気
などなど魅力はたくさんある。
 
停車したパーキングエリアでは必ず降りたい。
景色を見たり、スタンプを押したりするからな
なおかつ、窓際に座りたいとなると
四列シートだと、通路側の人にパーキングエリアのたびに
迷惑をかけることになるので三列独立シートの車両が望ましい。
 
三列のほうが、贅沢なつくりのぶん料金は多少高くなる。
そして、車内にトイレがついていることが多い。
トイレがついたバスは、トイレ休憩の必要性が少なくなるから
パーキングエリアに停まる回数が減るというデメリットがある
停まったとしても運転手交代や運転手の休憩や時間調整のためだったりして
乗客が降りることができない場合もある。
せっかく乗り降りしやすい高級なバスに乗っても
それによって失われる魅力もまたあるということで
なかなか、痛し痒しといったところである

今回は、乗りたい日程でバスを検索した中から
唯一あった三列独立の便を予約した
四列のバスにもトイレが付いていたので
それならば休憩回数もそう変わることはないだろうと判断した
 
残念なことに、予約時に座席の指定ができなかった
三列シートだと、左右の席は窓際だが
真ん中になってしまった時は目も当てられない
これは三分の二をひくギャンブルだな、と思って戦々恐々としていたが
当日無事左側の窓際が割り当てられたのでほっとした
バスタ新宿を夜9時過ぎに出て、高知駅に朝9時に着く予定。
 
やはりというか、パーキングでの休憩は少なく
夜の海老名と朝の吉野川だけだった。

そして更に悲しいことに、バスの乗り換えがあった
乗っていたバスは香川方面に向かうもので
高知へ向かう人は、早朝に徳島で別便に乗り移る必要があるとのことだった
おそらく予約の時点でその旨明記されていたものと思うが
三列独立がこの一種類しかなかったから見落としていた
しかも乗り換えたバスは四列シートだったので
めっちゃ損した気分になってしまった

とはいえ、乗り換え場所となったバスステーションは
インターチェンジ付近の殺風景な国道沿いで
まだ薄暗い朝五時頃、乗り換えたバスの発車まで30分ほど
待たされたのだが、それが案外良かった
バス運転手が休憩スペースでタバコを吸っていて
ぽつんと一軒だけあるローソンでは唯一居る店員が品出しをしていた
ガムと飲み物を買おうと思って、店員に声をかけると
「現金ですか」と訊かれた
 
キャッシュレス決済で、と答えたら
レジのタッチパネルを自分で操作して
支払う仕組みになっているとのことだった
そういうコンビニは何度も利用したことがあったが
不思議とその可能性にまったく思い至らず
なぞの意外性を味わった
 
 
こうして振り返ってみると、何もなくすんなり高知に行くバスより
かえって良かったんじゃないかという気すらしてくる
体験する出来事が増えたわけだからな
まあ今後乗り換えありの便があったとして、選ぶことはないと思うが……
それ故に、今回の体験が少し輝く
 

 
帰りは格安航空会社の飛行機を予約した
夜行バスはまあ片道で充分だろうということで
 
見てみるとなんと夜行バスの料金よりだいぶ安かった
時間も短時間で、空まで飛べてなおかつ安いんだ。
まあ夜行バスに乗りたかったんだから仕方ない。

 
しかし、夜行バスに求める要素を充分味わえたかというと
ちょっと微妙なとこではある
なにが足りなかったんだろう、やっぱパーキングかな
 

言うだけタダだから希望を書き連ねさせてもらう
 新宿をなるべく遅い時間に出発する夜行バスで
 車両は三列独立、なんなら二列にして小部屋みたいに仕切ろう
 後ろの乗客に気を使わず全開にリクライニングができ、  
 気兼ねなく飲食もできる環境に。
 トイレはついていてもパーキングやサービスエリアにこまめに停車。
 少なくとも5回くらいは停まってほしい
 深夜でも遠慮なく停まってくれて構わない。
 夜通しカーテンを開けておいてよく、夜の車窓見放題
 高知駅へは素直に早朝着いてくれてもよいが
 時間的に無理があるのならばいっそパーキングに寄りまくることに
 時間をかけ、多くの商店が開き始める10時あたりに到着するんでもいい。
 
そんな夜行バスがもしあったなら
と思ったけど、これは自家用車で自分で運転すれば
ほぼ叶えられる願いであることに気付いた
 
なるほど…
それもけっこう大変なことだけどな

楽園(le paradis)46号が発売になりました
「辺境の友だち」という題の漫画を掲載して頂いております
ぜひ見てみて下さい。
お求めはお近くの書店かインターネット通販で

楽園(le paradis)ウェブサイト
https://www.hakusensha.co.jp/rakuen/vol46/

amazon通販ページ
http://www.amazon.co.jp
 
 
 
 
以下雑記
高知に行って帰ってきた
法事の予定があったためだが
それ以外にも面白いものを見たり、うまいものを食べたり
いいものを入手したりした充実した旅行になった
 
 
その昔、夏休みの度に遊びに行った祖父母の家は
現在は親戚が住んでいる
 
滞在中に泊めてもらったのだが
基本的に建物は当時のつくりのまま、傷んだ箇所をメンテナンスしてあったり
家具や設備を適宜現代のものに取り替え、住みよく改良されていた
昔から貼られたままになっている貼り紙類や置物も多くあるが
当時の思い出深いオブジェクトの中には
今では姿を消してしまったものも少なくない

そういうものをいちいち惜しんでいることを
親戚はよく知ってくれているので
古いもので、もしほしいものがあればあるうちに持っていけと言ってくれた
 
 
その家での最古の記憶から登場するようなモチーフで
もはや場所と完全に一体化しているようなものばかりだから
自分の手で持ち去ることにはそれはそれでかなり抵抗があるものだが
「次来たときには捨てちゃってるかもしれないし」などと言われると弱い。
お言葉に甘え、健康に関する注意のポスターと
ペナント2種を壁から剥がして頂戴した。
 
こういうとき、その場所で生きていた動物を殺して
剥製にして持ち帰るような罪悪感がいつもある
記憶のなかにあった物体を自分の部屋に攫ってきてしまうことによって
懐かしさ自体も変質してしまうようにも思える
 
そうはいっても滅びゆくものを自然に滅びゆくままに
するというふうに割り切ることもまた出来ないもので
自分の観測範囲、出来る範囲、出来得る方法で大切にするしか
ほかに方法がないから、それを承知で存在を引き受ける覚悟が要る
業が深いことだ
 
 
 
浜辺も歩いた
漂着物はあまり多くなかったが、いくつかプラスチック製のブイが落ちていた
ブイはかっこいいものが多くて好きだね
かつてはブイや浮きが打ち上げられていると、喜んで拾って帰ったものだが
そんな家のブイもずいぶん増えてしまっているので
今回は見送ることにした
 
拾ったはいいがべつに厳格に管理してるわけじゃないから
いつ拾ったものかわからなくなっていて
拾ったときの記憶とものが紐づいておらず
あるべき思い出やありがたみが薄れてしまっている
そういう態度は拾得物に対して不誠実だなと最近は思っているので
漂着物拾いもほどほどに、きちんと向き合える範囲にしなければと思うのだった
 
向けられる想いも限りがあるし、対象は増える一方。
それに古いものにばかり想いを向けているわけにもいかないですからね。
いやでも、海洋プラスチックごみという観点から言えば闇雲に拾ったほうがいいのか?
……
我ながら難儀というかなんというか
もっと気楽な方法もある気がするけど

単行本「そぞろ各地探訪」の取扱店情報、書店特典情報が公開されました
特設サイト上にて公表されています
 
 
 
特典について
・「1月と7月の通販」及び「panpanya直売所」
・恵文社 一乗寺店
・COMIC ZIN 秋葉原店
・ジュンク堂書店 池袋本店
・書泉・芳林堂書店 各店
・まんだらけ(札幌店 / 渋谷店 / コンプレックス / 中野店 / うめだ店 / グランドカオス / 京都店 / 福岡店 / 小倉店)

以上の店舗にてお買い上げいただくと
それぞれ異なる絵柄の「特製しおり」がついてきます。全6種。
贔屓の書店がありましたらぜひお求め下さい
 
また、既に特設サイト上で周知のとおり
1月と7月通販」か「panpanya直売所」、すなわち直販で
事前に御予約いただくと「御予約シール」が本に貼られます
予約品であるという印のようなものであり
一般にいう「特典」というのとはちょっと違うかもしれませんが
それもあわせると七種類の特典があるということになります。

発売にむけて目下準備中でございます
何卒お楽しみに