昨日は用事があったので市街地に出かけた
日差しのあるところは暑いので、日差しをよけて小さな日陰に入ったとき
これは夏の仕草だな、と思うことがあった
地面からの照り返しの味わいも、夏のものなってた
今年の夏は今日から始まったなと思った
物足りないといえば、蝉の鳴き声がまだないことくらいだったな
本日、日中
近所を散歩していて、桜の木の側を通ったとき
桜の葉っぱが日光で熱された匂いがしてきて
これは夏の匂いだなと思った
子供の頃の夏、桜の木に空いた穴ぼこの奥に、黒光りする昆虫が潜んで
いるのを見つけて、あれはオオクワガタじゃないか!と考え
どうにか出て来ないかなと弄ったりなんだりしたが、
穴ぼこが狭く結局正体はわからなかった
今思えばゴキブリかなんかだったんだろうと思うが
その時の匂いだった
夜、自宅にて
廊下の匂いが夏の夜の匂いになっていて、うわ夏の廊下だと思った
それがなんなのか考えてみると、祖父母の家の匂いに似ている
祖父母の家は高知にあり、小学生の頃は夏休みになるとよく遊びに行った
ほとんど夏休みにしか行ったことがなかったから、記憶が夏と紐づいている
木造の家が日中の気温で温められ、その余熱が夜になって
材木や繊維壁や畳の湿気を放出する匂いとか
夕食の残り香、蚊取り線香や花火の匂い、近くの山や海や川
石ころや土や雑草の匂いが窓から流れ込んでくるのとかが
混ざったもんだと思うが
そういう匂いが自宅の廊下で再現されていたことに驚いた
これも夏だ
今日は夕飯に焼き魚を食べた
祖父母の家は海の側で、海産物がよく食卓に上ったから
それの影響もあっただろう
魚の骨をゴミ箱に捨てたから、それの匂いがほんのり漂ったのかな
具体的にそれとわかるほどは漂ってなくとも、そういう細かい条件が
隠し味となり、うまいこと再現されたんだろう
不思議なような、そうでもないような気がする
あとは蝉の登場を待つのみ
鳴き始めるのがいつなのか、耳を傾けておきたい