カステラ風蒸しケーキの再発売からしばらくして、比較的行きやすい場所で
一日二個安定して入荷する店が現れた
カステラ風蒸しケーキは、出荷日含めて4日間の消費期限があるから
だいたい4日に一度、4個買ってきて
朝食として一日ひとつ食べるというスタイルが定着しつつあった
3個しかない日は3個買って3日後に出直し、5個あったときは
ひとつ冷凍したり、朝食とおやつに一日二個食べる贅沢スタイルの日もあり
主食のようにぱくぱく食っていたが
前回、月末に買いに行ったときに、入荷が一日一個になってるようだった
今思えば不穏な感じがしていたが
さて今日
いつもの店に自転車で出かけてみると、なんと取り扱いが終わっていた
11月になり、品揃えが切り替わったということか。
何度か味わったこの絶望感。
ヤマザキ製品は月頭に新商品が出るし、棚も限られているわけだから
新商品でも定番商品でもないカステラ風蒸しケーキが退場するのは
まあ理解できない話ではない
店員さんに「このへんで扱っていたのはここだけだったんですよ」と
伝えたら、笑っていた
笑いごとではないのだが
すぐさま店の駐車場でヤマザキにお問い合わせ電話してみると、
大方の予想通り周辺店舗は全滅
範囲を広げて調べてもらうと、取り扱っている店が2軒見つかったので
そこから15キロほど足を延ばし、そのうちの1軒で3つ手に入れた
もう1軒は空振りだった
団地の近くの古いスーパーで、買い物客がちらほら居た
本日入荷したはずの2つのカステラ風蒸しケーキは
この団地に住むだれかが買っていったのかもしれないな
今までお問い合わせの捜査線上に名前が上がってこなかった店だから
もしかして初入荷、物珍しさで買っていったのかもしれない
もしくは、同じようにお問い合わせして探し当てた人が
買ったのかもしれんな
どちらにせよ、カステラ風蒸しケーキを買い求める客が他にもいるという
あたりまえの事実が、心強いような
徒労だったが、不思議とうれしい気分になる
日が暮れたので、自転車で駅へ向かった
ずいぶん遠くまで来てしまったが、折りたたみ自転車なので
折って袋にしまえば、電車で家の最寄り駅まで帰ることができるわけだ
知らない道なので、スマートフォンの地図のナビ機能を使った
ナビは、ずいぶんと複雑なルートを示した
はじめて通る住宅地のなかの道を、ぐちゃぐちゃ折れ曲がりながら
カステラ風蒸しケーキがなかったら一生通らなかったかもしれない路地を
すいすい進んでいく
今夜はよく眠れそうだと思った