九州に行って帰ってきた
いろいろなものを見たり食べたりした
自分の興味のあるものとないものについて考えることが多かった
現地のスーパーでは、関東でも見かける商品が多数並んでいるが
それに混じって、普段見かけない豆腐を見つけたとき、急に
ここは自分の来たことのない地方で、そこでは知らない人が知らない豆腐を
ありふれたものとして買って食べているのだということを思って
日常の細部によって想像力が増幅されるものが、なにより面白い
ついつい、そういうものばかり追いかけてしまう
その辺の民家や、日常使われている道だの店だのを見れば
生々しい細部は無限に見つかるし、よくよく見ていくと
植物がちがったり、豆腐がちがったりするわけで
普段自分が見慣れたものとそれらの微妙な差、そのほんのちょっとした事実が
旅情にリアリティをもたらす
それがちょっとしたことであればあるほど、リアリティが増すのが不思議だ
ひいては自分の身の回りでありふれていた日常をとらえなおすことにもつながる
古い建物でも、史料的価値に基づいて保存されているようなものより
ぶっきらぼうに放置されたようなところのあるもののほうが
興味深く見れる傾向にあった。
ある歴史的建造物は、いまは蔦に覆われて半分放置されているが
修復保存されることが検討されており、その際蔦は綺麗に取り除かれるという
生々しい細部は灰汁や澱として処理される
そういう側面もある
長崎のある高台から見た町並みが圧巻だった
もしも望遠鏡のような視力があれば、その細部に脳がパンクしていたと思う
それを想像しただけでめまいがするようだった
九州に上陸するのは今回が初だった
普段と生活のリズムが違う行動が続いたため、思ったより消耗してしまった
ぼんやりしてしまう
体調を崩すようなことはなかったが寒くなってきてるので用心したい
別な話
コンビニで、ポテトチップスが安売りされていた
コンビニでこの手の菓子が安売りされるのは比較的稀なことのように思う
地域限定の味のやつが入荷し、余っていたようだ
「天ぷら味」と「いもフライ味」の二種類があった
ポテトチップスがそもそも芋を油で揚げたものであるから
味のイメージがポテトチップスの製造工程に回収されてしまっている
しばし混乱する
天ぷらは、べつに何の天ぷらとも書かれていない、ただ天ぷらと書いてるだけだ
いもフライは、栃木の郷土料理かなんかであるらしい
何も言っていないような、簡潔なような、かえって複雑なような
へんなことになってた
しかもそれが安売りされている
折角なので両方買った。