飛び立つときに「ぶー」と鳴くからぶー鳩
と呼んでいた鳩のことをふと思い出した
ぶー鳩は家の庭に時々飛来していたので、見かけたときは
菓子やパンの破片などをあげたりすることがあった
ぶー鳩の他に、足鳩というのもいた
片足の指が一本か二本か欠損していていることからそう呼んでいた
どこぞで怪我をしたのか、不憫だなと思って同じく破片を与えたりしてた
足鳩は思いの外図々しいというか、意地汚く
他の鳩を追い払って自分だけ食べ物にありつくようなところがあり
そういうたくましさがあれば不自由な足でも生きていけるだろう
むしろそういう性格だからこそ怪我に負けず生きてこれたのかもしれんなと
思った覚えがある
彼らはどんどん人馴れしていって次第に手から直接ものを食うようになり
最後の頃には家に上がりこんでくることすらあった
彼らは年をまたいで二年くらいは近所に居たように思うが
いつのまにか居なくなってしまった
それももう十年以上前のことだ