フィリピンへ行って帰ってきた
目的はグヤバノです
グヤバノについては何度かこの日記で取り上げているが
バンレイシ科の果物で、日本ではほぼ流通しておらず
かろうじて売っていた缶ジュースでその味を知り、虜になったのだった
ドライフルーツになったものを買おうとして頓挫した話も
前にここで書いたことがあったと思う

今回、それとは別な方向からフィリピン旅行のお誘いがあったため
しめた!とばかりに事情を話し、同行させてもらうことになった
道中いくつか困難が立ちはだかることもあったが、結果としては
無事に生のグヤバノを拝むことが出来、完熟のものをまるまる一個食べた上
ドライグヤバノを日本に持ち帰ることもできた
目的を完全に達成した最高の旅行となった
 




グヤバノについてはさておき
おれにとって今回が初めての海外旅行だった
これにより、自分の好奇心の矛先について考えることになった
我ながら不思議に思ったことなのだが
ため息の出るような絶景や珍しい動物、史跡や歴史的建造物を見たが
より興味を惹かれたたのは、現地でありふれたものとして扱われている
日常を構成する平凡なもののことだった

たとえば車は日本製のものがたくさん走っていたし
割り箸も普通に提供される。コンビニもセブンイレブンばっかりだし
日常の構成部品は日本と共通するところは多くあるようだった
それゆえに
日本に似たもののなかに、明らかに珍妙な理論や構成部品を見たとき
そしてそれがその国ではありふれた平凡なものとしてスルーされているとき
独特の高揚感、好奇心が募るのだった

傾向として地元の人々は良く言えばおおらか、悪く言えば多少粗野なところがあり
日本の感覚で見ると甚だしく掟破りな場面も何度か見たが
反対にデパートやホテルなど現代的な施設では、その先進的秩序を守るため
日本の常識を超えた厳重警戒かつ過保護であり、掟破りに対して
より強い掟を設けることによってバランスをとっているかんじだ
釣り合いがとれているからおれにとって異常に見える場面も普通の日常になっているし
スルーされるがその違和感は無視できない

現地の人の利用するコンビニには
メントスやハイチュウと並んでFOXSという似たような包装の見慣れぬ菓子が並び、
マクドナルドやケンタッキーフライドチキンと並んでJollibeeという
ファストフード店と思われるチェーン店がかなりのシェアを持っているようで、
道路には「トライシクル」と呼ばれる、バイクと人力車をドッキングさせたような
粗雑な感じの乗り物が車と混じって走っている
ホテルの朝食にはオレンジやリンゴジュースではなく「dalandan」という
謎の柑橘系のジュースが出る。それがやたら甘かったり
それでいて道行く地元民はユニクロの袋を提げていたりする
そういうものに出会う度、日常の微妙な差が面白くて仕方なくなる
そのへんの町をいくら歩いて見ても見飽きることがなかった


考えてみたら、日本のなかでも行ったこと無い町や地方に出かけていったときは
そういうところばかりを見ていたような気がする
見慣れないローカルスーパーがあったり、建物の材質や古び方
ブロック塀の壁穴の模様の違い、フリーペーパー、野菜などなど
同じ日本だから同じものも当然たくさんあるが、それに混じって
自分の住む地域とは微妙に違う日常構成物が展開されているわけだ
それについて

いままでフィリピンは写真や映像でしか見たことがなかった
そこには日本にはないフィリピンの特色が映し出されることが多いはずだから
外国だから別世界で当たり前だと、そのように捉えていたように思うが
構成物の違いは当然多くあるものの、思った以上に
「別世界」ではなく、「似て非なる世界」だったという印象を受けた
それが大変面白かった 



他にも考えたことはあったがとりとめがなくなるので
さておいたグヤバノの詳細も含めまた別なときに書くことにする