古い雑誌をぱらぱら見たりしている
1990年代の東京の景色の写真が掲載されていて
こんなだったかと不思議な気分になる

その不思議さについて
たんに一昔前の東京の景色なら、取り上げている媒体はたくさんある
現代の媒体によって取り上げられているそれらは
現代からなつかしい時代を振り返るという趣旨のものになる
過去の記録という扱われ方をされている
当然のことだが

しかし古い雑誌というのは、当時における「いま」を切り取っているものだ
新鮮なものの新鮮さを、新鮮だぞという目線で捉えて取り上げている
フレッシュな眼差しがそのまま封じ込められているようで
遅れて聞こえてくるやまびこのような
出てくるものは古いものに違いないのだが
確かに過去のある時に「いま」だったのだという気分が強まる
位相がずれているような、不思議な気分になる

一時期、You Tubeで昔の天気予報の動画を見るのが好きだったのを思い出した
そのことは過去にもこの日記に書いたことあるかもしれんが
過去のある時点での未来予報の映像なわけで
その天気が実際のものだったかどうかはわからないし
それが当たっていようが外れていようが、今となってはあまり価値のない情報だが
昔から見た未来の天気を当てようとする映像の、昔の最新情報が
架空の過去の話をしているようで
妙におもしろく思えたのだった


雑誌のコーナーで、東京に新しく生まれた景色を取り上げたものがあった
多摩ニュータウン地区の野山だったであろう土地がすぱっと切り開かれ造成され
立派なマンションが建った最新の異質な景観の写真が掲載されていた
きっと今では周囲の野山も残らずニュータウンになって
できたてホヤホヤのタイルも風雨で馴染んで程よい感じになっているのだろうが
紙面の「いま」と想像上の今の「いま」が頭のなかでぶれてくるような心地がする
そういう不思議さを味わって楽しんでる
いま古いものを見て記録するのとはまた違う良さがある




もういよいよ年末
鮮魚を売るスーパーに行ったが、数の子がたくさん売っていた
伊達巻やかまぼこも目立つように展開されていて
クリスマス後のこの時期ならではの気配が満ち溢れていて良い

テレビでは今年あったニュースをおさらいしているような番組がやっていた
今年の前半の出来事なんて、もう頭の中で遠ざかっていたようで
過去の情報の味わいがありそれはまたそれで時間感覚のぶれを感じた




それで思い出しましたが、楽園Web増刊にて漫画が公開されております
今月18日分です。告知したつもりでいましたがうっかりしてました
無料ですのでぜひ見てみてください。

行き方:下記URLを押す→WEB増刊へGOと書かれた箇所を押す(中段画面左)→12月18日のところを押す→漫画登場。
 http://www.hakusensha.co.jp/rakuen