夢のことを英語でdreamというが
寝るときみる夢も、将来を思い描くほうの夢もどちらもdreamなのは
どういうことだろうか
寝るときに見るものと、将来的な理想というのは共通するだろうか
あまりぴんとこない
それか、どちらかが先行して存在した言葉で
単純に考えるならdreamという言葉が日本に入ってきて訳され
寝るとき見るもの、あるいは将来の理想のことを指す言葉として
「夢」という言葉が開発されたのかもしれない
もしくは、英語圏では寝るとき見る「夢」とおなじ単語を使って
将来の理想のことを表すらしいぞ、という情報を得て
そういう意味も追加されていったとも考えられる
空気のようなものについて
目に見えないけど充満しているものというのはある
違う空気の場所にいってそれに馴染んでみると、元いたなにもなく感じた
空気の場所に、ある特性を持ったものが充満していたことに気づける
テレビのコマーシャルがそれで
見たい番組の合間になにかを宣伝する映像が挟まってきて
とくに見るつもりのなかった映像で、あれを楽しみに熱心に見る人も少なかろう
空気のように、さして注目もせず流れていくが
古いテレビコマーシャルを見ると、かつて空気のように何気なく見流していたものに
時代の空気が満ちていることに気づく
夏場の常温の水が、もし冬に蛇口から出たらあたたかく感じるだろう
そういう感じ
町並みや景色もそういうもので
自分の生活圏の見慣れた景色はたいへん普通の、空気のような景色で
気にも留めないものだが、よその土地に行ったり、かつて慣れ親しんでいた
土地に戻って見たりすると、そのディテールひとつひとつが特殊に浮かんできたりする
どこがどう違うか言い当てられなくても、部品の性質が異なることに由来する
違和感は感じ取れる
空気のように情報が無数にある
どこに違和感を感じることが出来るか、また感じないことができるか
微細な違和感を観察すると面白い