インフルエンザの予防接種を受けた
注射は嫌いだが、病気でダウンすることを考えれば受けた方がよい
一昨年たっぷり寝込んだ反省を踏まえた

注射はあまり痛みを感じなかった
針が刺さることより、医者がおれの腕を抑えている指の感覚や
針から液体が注入される感覚のほうが強かったくらいだ
小さい子供の頃の記憶にある痛みを想像して臨むと、多少肩透かしをくらう


針が進歩しているのかな
技術の進歩により、針を限界まで細く加工できるようになったとか
細ければ細いほうが、肉と針の摩擦が減るだろうからな

調べてみると、蚊が血を吸う針の表面構造をヒントに
痛くなく刺せる針が開発されたという情報が出てきた
たしかにあれは刺されたことに気づかないほど痛くない
しかし針ではあるし血も吸いだされているわけだから
なるほどあれが再現できるのなら優れたものだな
今回の注射針はそれだったのだろうか


あるいはおれ自身が成長に伴って痛みに鈍感になっていっていると
いうふうにも考えられなくもない
自分がかつてどの程度の痛覚をもっていたのか、あまり覚えていないが
たとえば派手に転んで大泣きしたことが幼少時にあったと思うが
今現在派手に転んだとしても大泣きするほどの痛みを感じることはほぼない
痛みに慣れたり、たいしたことなく感じるよう鈍化している可能性はある

注射は嫌だという情報だけは、心理や知識として脳に残っているが
痛みという身体的な感覚はそれに伴わないのかもしれない

そういえば近年まで食べられなかったセロリが食えるようになったとき
脳内に存在した「セロリをまずいと感じたときのあの味」と
実際に味わっている口の中のセロリの味がまったく別物のような
同じもののはずなのに自分の感覚が変化したことによるずれを感じた

過去の体験による心理や知識だけが残留していて、いま現在
体験したリアルタイムの感覚とのずれに違和感を感じるということが
注射の痛みに関しても起こっていたのだろうか


いつか、また注射の痛みがどんなものだったかピンとこなくなることが
あるかもしれないからそのときは今日のこの日記を読み返すことで
どうだったか少しくらいは思い出せるだろう