部屋で書き物をしていると、どこからともなく
「ガカカカカカカン」というような音が断続的に聞こえてきた。
地形に反響して、遠くぼんやりとした響きになっていたが、なにか土木の
機械を動かしているのかな、工事っぽい音に思えた
ふと、音の出処はどこだろうかと気になって、探しに出ることにした
外の気候はよくぽかぽかした過ごしやすい空気だった
気持ちのよい日差しと弱い風のなか、 「ガカカカカカカン」という
響きがどこかからくる
なかなか、普段音をたよりに歩きまわるということは少ない
しかし音量がでかいこととと断続的であることにより追うことができた
音に向かってあるいていると、案外あっさりと現地に辿り着いた
そこは建設会社の資材置き場で、ショベルカーの先にはんだごての先の
ような形の金属の棒を装着した重機が
でかいコンクリートの塊を砕いているところだった
先の棒が振動しているようで「ガカカカカカカン」という音をたて少しずつ
コンクリートを破壊している
建物か構造物の残骸のようで、細かく砕いて廃棄かなにかに
するんだろう、しばらく見てたが一向に減らない果てしない作業に見えた
間近で聴くと音は相当爆音で切れ味の鋭い音だった
コンクリートと金属を重機で強力に打撃し続けるのだから音はでかい
謎もとけたので去ることにした
資材置き場から遠ざかるとき
だんだん遠くなり地形に反響してぼんやり小さくなっていく音を聞きながら
なんか回想シーンの音のようだなと思った
さっき目の当たりにした光景が、耳の奥で遠い記憶としてよみがえるような
聞こえてくる音によって謎の思い出感が周囲に漂ってきてた
物理的に遠ざかることで同時に時間感覚的にも遠ざかる感じは奇妙に思えた
あとで調べたら件の重機は「油圧ブレーカー」という名前の機械だった
昨日、体力が落ちている可能性に思い至ったのでジョギングに出かけた
体力は想像してたよりもはるかに落ちていた
いままでは長期間運動を怠っていても走りきれていた道のりだったが
今日は何回か休憩をしないととても走れなかった。これは過去にあまりない
ひと冬運動をさぼっていてもここまでひどくはなかった
反省して生活習慣、運動習慣を正すしかない
夕方ジョギングで通りかかった時も油圧ブレーカーは活動していた