どっさり雪がふり、朝から雪かきに明け暮れていた
朝の段階で家の前の積雪を計測したところ、60センチ積もっていた
これだけ積もるのはめずらしい
昼すぎまでかかり、家の周辺のみだが通行可能な状態になった
手付かずのゾーンもあり、行政が除雪車などを出しているらしいが、やはり
交通量の多い道から優先されるから、この近辺は後回しになっているのだと
いう情報を近所の人が言っていた
かわいそうに郵便物を配る人が手付かずの雪道をかきわけて配達にいき
その帰りに転んで雪に埋もれてしまう一連の場面を見た
今日は選挙があったので、雪かきが一段落したのちでかけた
これだけの雪が降っているから、投票所まで出かけるのもむずかしいという
人は多いだろうな、放送で投票率を言っていたが少ないなと思った
まったく雪かきされた気配のない道もあった
車ががんばって通ったタイヤのあとがあるが、そこを歩くと滑るし
かといって積もったままの雪は深いので、ほどよいところを選んで歩いた
ところどころ、雪かきをしている人がいたがみんな暗い顔をしている
ニット帽をかぶった初老の男性が二人居て「だめだ」と言う言葉だけ聞き取れた
雪が固まってプラスチックのスコップではきれいに取れないという意味合いのようだった
しかし天気がよく、青空の下で雪が降ったあとの空気はとても澄んでいた
それは雪が空気中の不純物をぜんぶ回収して地面に落ちたせいなのか
積もった雪の上をふいてくる風が雪の効果でさわやか性を増したせいか
雪が蒸発して新鮮な空気が発生しているかのような濃密ないい空気だった
投票所は暖房ががんがん効いていた
閑古鳥が鳴いていたので、おれが投票所に行くとみんな顔がぱっと明るくなったような
気のせいかもしれないが、うれしそうな気配があってそれがよかった
まあ、暇だったのには違いないだろうな、小さい投票所だったが10人以上係員がいた
こういうのもなんだが比較的ネガティブな気持ちが漂う選挙だと思っていたので
すこし救われた気分になる
帰りみち、道端のこな雪をわしづかみにしてみると
雪の結晶が見えた。空気に触れると気温ですぐに細部はとけてしまうが
さくさくした繊維質、細かな針のような、紙の裏から磁石をあてた砂鉄のような
質感をじっくり見る。とくに六角形のものは見えなかったが
ふーんと思う
しかしひとつとして同じ形状のない(本当だろうか)精密な造形物がこれだけ膨大に降り
その大部分はだれにも見向きもされずに溶けてしまうというのも
考えてみれば贅沢なかんじがする