丁字路で信号待ちをしていたら、斜め前方の畑のような敷地に
高さ4メートルくらいの木が生えていて
それがゆっさゆっさと不自然な揺れ方をしていた
風が吹いていたわけではないし、そういう揺れ方とはちがっていた

よくよく見ると、木の下に脚立がたててあり
人が登っていることがわかった
さらに葉っぱの奥に人間の上着らしきものがちらと見えた
子供が木登りをして、ゆらしているのかな
それにしては、脚立を用意するあたり周到である

さらに観察していると、どうも揺れ方はリズミカルで
これは、と思っていると信号が青になった

通り過ぎる瞬間、木の上の人間がのこぎりで枝を切っていることがわかった
ぎこぎこという切断動作のリズムで木が揺れていたのだな
あれほどじっくり見ていたと思ったが、大した時間ではなかったのか
それともよほど太い枝を切ろうとしていたのか
見ている間に枝が切り落とされることはなかった