風呂あがりに家の外に出た。ごみを出すためだが
暑くも寒くもない気候でかなり完璧に過ごしやすい空気だった
昨日軽く降った雨は乾いているが、乾きすぎということもなく
一日天気よく風もすこしあった
風呂によって上がったぶんの体温だけをちょうどよく下げた
空はだいたい晴れているようだが一割くらいの雲があった
夜空にも雲はある、ということを理解したのはいつごろだったろうか
日中の青空に雲があることはだれだってもう見れば瞭然だが
夜空に雲があるということは幼少時のおれは意識することはなかった
夜の空は黒くて星が見えたり見えなかったりする、という程度の
認識しかなかったような記憶がある
ある日、月がぎらぎらに輝いているような日に、月光により雲が照らしだされて
いるのを見た時、夜でも雲あるんだな、とはじめて思ったことを薄っすら覚えてる
ちいさいころ、太陽を絵に描くときに赤いクレヨンを使った
あれはなんだったんだろう、今思えばべつに視覚上は赤く
見えてないはずなのに赤く描いていたのは。
しかし太陽の熱いかんじ、光の強いエネルギーには赤を連想させるものはあるし
子供向けアニメや絵本などの創作物ではよく赤く描かれているものだ
また多くの子供も太陽を描くときに赤く描いてる
日本の国旗が日の丸、太陽をあらわす赤い丸模様であるし
べつに何色で描くのが間違っているとか正しいということではない
視覚をそのまま紙に写しとることが絵の正解ではないし
赤く描くのが感覚として正しければ赤くかいてもよいし
みんなが赤く描いているから赤に描くのであればそれは記号だ
太陽は赤い丸という暗黙の了解として伝わる、それはそれでいい
太陽に赤をみているといってよいと思う
その理屈でいえば、おれは幼少時のある時まで、夜空の雲は見えていなかった
夜空は黒一色だと思っていた、そう描いた
目には入っていたにちがいないが、 夜の空は黒いもの。という判断
太陽を赤く描くように、葉っぱは全部グリーンで描くように
空は黒いものだと信じてそれ以上深く視ることはなかった。ある時までは。
それに気づくときがある時やってきた
ピーマンがある日食えるようになったり、自転車に乗れるようになったり
するように、 違いを認識する感覚を体得したのだった
それを思い出した