近所の空き家で草刈りをしている
たぶん空き家に人が入居できるように準備してるのだろう

何年か前に持ち主が亡くなったかなんかで空き家となり
そのまま数年荒れるにまかせて放置されていた
伸び放題になった植木はしばしば電線に接触し
都度電力会社が適当にずばずば剪定するもんだから木は枯れた
剪定された枝はそのまま庭に積み上がり、雑草と融合して
下のほうは腐葉土となっているようにも見えた


四人くらいの作業員が空き家の庭に入って枝をどけたり
草をむしったりしていたが、やがて電動機材をつかった作業になったようで
駆動音と、なにかをバリバリ処理する音が聞こえてきた
その後、風にのって植物の汁の匂いがふわと漂ってきた

そのなかのうっすらとしたドクダミのにおいがわかった
空気は秋のかんじで涼しい風がはいる。薄めたドクダミの匂いは
秋の風によくなじんで気分いい






オリンピックを2020年に東京でやるという話でもちきり
おれはスポーツ観戦が好きでないから、ふーんといったかんじはあるが
それ以上に7年も先の話でわくわくすることがなかなかむずかしい

予言されたかんじはある
7年も先のことなんて考えようによっては何もわからないに等しい。自分を取り巻く環境が
劇的に変化して何もかもが違ってしまうのに7年は十分な時間ある
ふつうに暮らしていたら、7年先というのは非常にぼんやりしたものだが
あやふやななかに、オリンピックやる、という明確な出来事を言い当てられる
みんなが一斉に7年後のことを想像する
7年後に向けて生活しはじめるふうにも見えてくる、妙な気分になる