長いこと会っていない叔母の近況を聞く機会があった


従兄弟がまだ幼児のころだからだいぶ昔のことだが
親戚一同が集まった機会があった
なにか買い出しに行く人がいて、なにか必要なものあるかと聞いたところ
その叔母が「めばえ買ってきてもらえますか」と言った

めばえ とは幼児向けの雑誌である
従兄弟がぐずって必要となったのか、毎号購読していたのかしらんが
読み聞かせるか与えるかする必要があったのだろうな
「めばえ買ってきてもらえますか」と言った



めばえ
いま考えれば「芽生え」なのだろうが
おれも子供だったから、「めばえ」という言葉に何の意味もつながらなかった
ただ単に不思議な響きを持つ名前だと思った
口に出してみると、妙に語呂もいい
大人が妙な雑誌名を言っていることがどうも気にかかり
その叔母の話を聞いて、めばえという言葉が連動して思い起こされた

そんな雑誌があることも長いこと忘れてたが
叔母の近況は、あまり明るい話題ではなかった