目的や機能がないのにデザインすることはできない。

漠然と空にむかって意匠を凝らすということはできないもんで
かならず何か対象があって、目的、目指す方向性などがあったりして
それの能力をあげるように工夫したり設計したりするだろう



人のつくったそういうものが町にはいっぱいある
そんなに気合をいれてデザインされてないものも、入魂の一品も
町には街灯も看板も建造物も乗り物も公共設置物もあるし
家の中には家電も本も家具調度品も壁紙も文房具もある
それぞれ思惑あって設計されたものが家主や町の意思やその都合によって
たまたまその場に集合している


その集合がなぞの調和を保っている場合がありそれが心をつかんでくる

へんな和風の置きもの、カレンダー、箪笥、食器、なんでもそうだけど
趣味もばらばら、なんの意図も感じない自然に集まってきたかのような
ものやたまたまある生活必需品が空間に圧倒的になじんでいる状態
申し合わせたかのように部屋全体の調和を保っている
生活感のあるその家屋の全体が均整のとれたなぞ空間にみえてきたり
(というより生活感というキーワードでバランス保ってるときもあるようだが)

デザインということでは説明のつかないもっと大きな体系があるようです

目的や機能があってもデザインされてない
目的や機能を追求するより上位ディレクトリにある自然流動的な
ベクトルの吹き溜まりとなる
各々デザインされたもんの集合体がみせる奇跡的一体感
本来の意図の及ばぬところで何事かをみせてくる